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第65景 亀戸天神境内

第65景 亀戸天神境内 安政3年(1856)7月 改印
かめいどでんじん けいだい

第65景亀戸天神境内

「亀戸天神境内」

江戸府内には、湯島天神、平河天神など、有名な天満宮がいくつかあるが、この亀戸天神は、創建こそ正保3年(1646)とそれほど古くはないものの、大宰府天満宮の神木(飛梅)で掘った菅原道真の像を奉ったのが始まりと、極めて格式が高い。境内も大宰府天満宮を模して本殿の前に心字池を配して太鼓橋を掛けるなど、本社に似た境内の配置が今も残る。 事実、東の宰府として「東宰府天満宮」とも呼ばれていた。

天満宮と言えば、菅原道真が京から大宰府に左遷された時、京の屋敷の梅が道真を慕って飛んで行ったという飛梅( とびうめ )伝説から、梅の名所となる場合が多いのだが、この亀戸天神は、藤の名所でもあった。この近所で梅の名所と言えば、第30景に描かれた「亀戸梅屋敷」であるが、梅ではそこにはかなわないと観念し、敢えて藤をフィーチャーしたのだろうか。心字池の周囲を藤棚が取り巻き、その下に腰掛けて花見を楽しんでいる様子が、この第65景でも確認できる。 当時は、境内に茶屋や酒楼もあり、蜆(しじみ)汁が名物であったようだ。 すすってみたい。 

現在は、観光地されていることで、かえって江戸情緒がうまく保存されている。 周囲に雰囲気のある高級料亭が並んでいるのもうれしい。

今昔写真65 (画面クリックで拡大)
亀戸今昔


写真65 (画面クリックで拡大)
亀戸天神写真2
写真はいずれも筆者撮影(2009年11月29日)

江戸図65 安政3年(1856)実測復刻江戸図より作成】
065亀戸天神境内A

現代図65
065亀戸天神境内B


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